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2022年で6周年を迎えたシャドウバース。この記事では、そんなシャドバのオンライン対戦環境の歴史を振り返っています。過去に活躍したデッキや、ナーフ・アッパーの歴史など、気になる方はぜひチェックしてみてください。
シャドウバースの主な歴史年表
カード能力の調整や新要素の追加など、環境に大きな影響を与えた出来事をまとめました。数々のナーフ(弱体化)やアッパー(強化)などを経て、現在に至ります。
- 2016年6月17日:サービス開始
- 2016年8月15日:初のナーフ(収穫祭)
- 2017年7月31日:史上最多のナーフ(トーヴやバフォメットなど計7枚)
- 2017年12月29日:ローテーション・アンリミテッド実装、ネメシス初登場
- 2018年1月24日:初のアンリミ1枚制限(導きの妖精姫・アリア、ブラッドウルフ)
- 2018年4月26日:初のアッパー(災厄の屍王、呪われた忠誠)
- 2018年5月30日:アディショナルカード初登場
- 2018年6月28日:初のナーフ解除(幻惑の奇術師、魔将軍・ヘクター)
- 2018年10月30日:初の2Pick向けナーフ(老いたる先導者)
- 2019年9月19日:初のプレリリース(現在は不実施)
- 2020年4月2日:史上最速のナーフ(実装から3日)
- 2021年10月28日:初の全クラスカード調整(ニュートラル以外)
- 2022年3月1日:クロスオーバー初開催
2016年:サービス開始
2016年6月17日から、スマホ版のシャドバが遊べるようになりました。さまざまなデッキが試される中で、冥府エルフを筆頭にパワーの高いデッキが現れ始めます。
クラシックカードパック(CLC)
◆冥府エルフが台頭
旧称はスタンダードカードパック(STD)ですが、現在は「クラシック」という名前に変わっています。
冥府エルフは、低コストのフォロワーやスペルを使って墓場を30枚貯め、冥府への道の全体6ダメージを発動させるデッキです。特に、継続的にドローできる収穫祭と、お互いの全フォロワーを手札に戻す根源への回帰が強力で、2枚ともコストが上がるナーフを受けています。
◆ミッドレンジロイヤル・アグロネクロなど
他にも、序盤からフォロワーを展開しやすいロイヤルやネクロは、安定感が高く人気がありました。また、CLC期終盤の大きな変更点として、手札の上限が8枚→9枚になりました。この影響が特に大きかったのが、次元の超越を軸とした超越ウィッチです。手札が溢れにくくなり、デッキを回しやすくなっています。
ダークネス・エボルヴ(DRK)
◆ロイヤル・ビショップが台頭
初の追加パックとなった「ダークネス・エボルヴ」。
フォロワーの展開力が高く、前期から強かったミッドレンジロイヤルが環境トップでした。それに対して、テミスの審判で全フォロワーを処理できるビショップも頭角を現し始めます。ビショップでは、疾走・エイラ・セラフなど、豊富なデッキタイプが現れました。
◆超越ウィッチ・アグロヴァンプなど
また、手札上限アップが転機となった超越ウィッチも浮上し始めます。それに対しては、積極的に攻めるアグロヴァンプが有利でした。吸血姫・ヴァンピィや吸血鬼の古城は、当時のヴァンプを支えたカードと言えます。また、DRK期のナーフはありませんでした。
2017年:ナーフ続出
最初期を経て、徐々にカードパワーが上がってきた2017年。大規模なナーフもありつつ、環境は大いに盛り上がっていました。
バハムート降臨(ROB)
◆ドロシーウィッチ・OTKエルフが台頭
次元の魔女・ドロシーの登場で、フォロワー展開に長けたドロシーウィッチが環境トップに躍り出ます。また、リノセウスで一気に体力を削ることを狙うOTKエルフも最強格でした。その結果、ウィッチのルーンの貫きと、リノセウスを確定サーチするミニゴブリンメイジがナーフされました。
◆ナーフ後は多様な環境
ナーフ後は、レヴィオンセイバー・アルベールが加わったアグロロイヤルや、前期から火力が高いアグロヴァンプが流行します。また、エルフは姿を消したものの、ウィッチは引き続き強力でした。さらに、シャドウリーパーが加わったアグロネクロなども強く、かなり多様性がありました。
神々の騒嵐(TOG)
◆回復力のランプドラゴン
復讐ヴァンプも強力でしたが、当時はドラゴンとネクロが頭一つ抜けていました。
ランプドラゴンには、水竜神の巫女、ウロボロス、風読みの少年・ゼル、ライトニングブラストなどが追加。実戦では、回復で粘りながらPPブーストを進め、終盤にバハムートを中心とした大型のフォロワーで勝負を決めていました。その結果、ここで名前が出た5枚はすべてナーフされます。
◆展開力のミッドレンジネクロ
ミッドレンジネクロには、魔将軍・ヘクター、骨の貴公子、破魂の少女、不死の大王といったカードが加わりました。こちらは、骨の貴公子やシャドウリーパーを軸に展開しつつ、ヘクターで制圧するのが非常に強力です。結果として、ここで名前が出た5枚もすべてナーフされました。
また、環境トップではなかったものの、イージスビショップで使われた力比べもナーフされました。これは、勝負が長引きやすい低ランク帯において、9ターン目の力比べ+ヘヴンリーイージスが脅威だったのが理由です。
ワンダーランド・ドリームズ(WLD)
◆ニュートラルヴァンプの1強状態
ニュートラル(N)に焦点が当てられたWLD期は、かなり環境が荒れました。
まず猛威を振るったのはNヴァンプです。不思議の探求者・アリスやゴブリンリーダーなどに加えて、昏き底より出でる者というフィニッシャーも追加され、手を付けられない状態でした。また、ドラゴンやビショップも密かに暴れており、実装から約1か月で7枚のナーフが決まります。
- トーヴ
- バフォメット
- 昏き底より出でる者
- ゴブリンリーダー
- ウロボロス
- 風の軍神・グリームニル
- スノーホワイトプリンセス
◆ニュートラルウィッチ・ミッドレンジネクロ・復讐ヴァンプが台頭
上記のナーフ後は、新たに登場したNウィッチや、前期から強いミッドレンジネクロが台頭します。また、Nヴァンプは姿を消したものの、ナーフを逃れた残党が加わった復讐ヴァンプが流行し始めます。これで環境が固まった結果、WLD期2回目のナーフが行なわれました。
- ルナルの魔術師・プリス
- 魔将軍・ヘクター
- 豪拳の用心棒
- 緋色の剣士
◆ニュートラルビショップ・旅ガエルロイヤルが台頭
環境終盤に上がってきたのはNビショップです。黄金郷の獅子のコストを下げ、一気にフォロワーを展開するのが強力でした。また、毎ターン潜伏して攻撃し続ける旅ガエルも、当時暴れていた1枚です。その結果、この環境を支え続けたアリスも含め、WLD期3回目のナーフが決まりました。
- 不思議の探求者・アリス
- 黄金郷の獅子
- 旅ガエル
- 火遁の術
合計15枚がナーフされた「ワンドリ」は、多くのプレイヤーにトラウマを植え付けたでしょう。
星神の伝説(SFL)
◆原初ドラゴン・アグロロイヤルが台頭
ワンドリ後の新環境も、バランスが取れているとは言えませんでした。原初ドラゴンとアグロロイヤル、速攻型の2デッキが環境トップに立ち、圧倒的な強さを見せつけます。その結果、ドラゴンの軸となる原初の竜使いと、ロイヤルで使われたダラダラ天使・エフェメラ、トランプナイト招集がナーフされました。
◆超越ウィッチ・骸ネクロ・アグロヴァンプ・ランプドラゴンが台頭
ナーフ後は、速攻型のデッキに弱かった超越ウィッチ・骸ネクロなどが活躍し始めます。それに対して、アグロヴァンプのような速攻型のデッキも出てくる環境でした。また、ランプドラゴンもそれなりに強く、結果として次の5枚がナーフされることになります。
- 次元の超越
- 天界への階段
- 破魂の少女
- 邪悪なる妖精・カラボス
- 水竜神の巫女
◆ナーフ後は多様な環境
2度のナーフを経て、比較的多様な環境に落ち着きました。その中でも、アグロエルフと疾走ビショップは火力が高く、平均以上の活躍を見せています。また、新カードで秘術ウィッチやミッドレンジネクロも強化され、環境トップに食い込んできました。
2018年:ローテ・アンリミ&ネメシス実装
第7弾パック「時空転生」の実装とともに、フォーマットがローテーションとアンリミテッドに分けられ、新クラスのネメシスが登場しました。この他にも、新たな試みが多かったのが2018年です。
時空転生(CGS)
◆秘術ウィッチ・ランプドラゴン・ミッドレンジネクロが台頭
ローテ落ちに伴って多くのデッキ構築が変わる中、その影響が少なかったウィッチ・ドラゴン・ネクロが流行します。他にも、白狼エルフやイージスビショップが健闘しましたが、やはりウィッチ・ドラゴン・ネクロで環境が固まりつつありました。その結果、幻惑の奇術師、バハムート、不死の大王の3枚がナーフされます。
◆無謀ドラゴン・ドロシーウィッチが台頭
バハムートがナーフされたドラゴンでしたが、アミュレットを破壊しなくなったことで、無謀なる戦で疾走できるようになりました。これを活かした無謀ドラゴンという型で、ナーフ後も環境トップに立ちます。また、上位デッキに抑えられていたドロシーウィッチも、久しぶりに台頭してきます。
そして、無謀ドラゴンで使われた魔海の女王がナーフされ、OTKを狙ったコンボができなくなりました。
アンリミでは、導きの妖精姫・アリア、ブラッドウルフ、マナリアの知識の3枚が1枚制限という措置を取られました。また、蠢く死霊はナーフされるなど、1期目から大きな動きがあったのが印象深いです。
起源の光、終焉の闇(DBN)
◆ミッドレンジロイヤル・AFネメシス・ミッドレンジエルフ・ランプドラゴンなど
強力なカードが多い「バハムート降臨」がローテ落ちし、環境が大きく動いたDBN期。特に安定して強かったのは、ミッドレンジロイヤルです。白と黒の決闘や空の指揮官・セリアなど、チョイスを活かしたカードで立ち回り、騎士王・アーサーで制圧するのが強力でした。
その対抗馬として、除去能力の高いAFネメシスが初めて環境入りしました。さらに、AFネメシスに対して茨の森が刺さるミッドレンジエルフも有力でした。また、勝率の低かったネクロに史上初のアッパー(カード強化)がありましたが、あまり影響はなかったと言えます。
◆アディショナルカード初登場
アディショナルカードが初めて実装されたのもDBN期です。このときは、ドラゴンの銀氷のドラゴニュート・フィルレインや、ネクロの幽霊支配人・アーカスなどが追加されました。これ以降、環境中盤のアディショナル実装は定番となります。
また、ナーフは「今後に影響がある」という理由だったケリドウェンのみで、かなり多様性のある環境だったと言えます。
蒼空の騎士(BOS)
◆天狐ビショップ・ミッドレンジロイヤル・アグロエルフが台頭
「神々の騒嵐」がローテ落ちし、ドラゴンを中心に大きな影響があったBOS期。
まず流行したのは、天狐の社を軸として、回復しながらダメージを飛ばす天狐ビショップです。それに対して、ダメージカットで対抗でき、前期から安定しているミッドレンジロイヤルも有力視されます。また、アグロエルフも高いパワーを誇っていました。
その結果、ビショップ・ロイヤル・エルフから計5枚がナーフされました。
- 天狐の社
- 封じられた法典
- 白と黒の決闘
- 魔導狙撃士・ワルツ
- イピリア
◆人形ネメシスの1強状態
新カードで大幅に強化された人形ネメシスが、上記のナーフによって環境トップに躍り出ました。人形の少女・オーキスや清新なる銃設計士・ククルといった新カードが加わり、かなり安定感がありました。その結果、復讐の人形遣い・ノアと立ち上がりし鋼の戦士・シロウがナーフされ、この環境を最後に、姿を消します。
アンリミでは、ナーフ解除されたヘクターの存在もあり、ミッドレンジネクロが最強格でした。新カードのグレモリーもかなり強く、アンリミでの1枚制限を設けられました。
十禍絶傑(OOT)
◆ミッドレンジロイヤル・侮蔑ドラゴン・アーカスネクロ・自傷ヴァンプが台頭
10人の絶傑が加わったOOT期では、新たに侮蔑ドラゴン・アーカスネクロ・自傷ヴァンプが流行し始めます。強力なバーンダメージやOTKが強みの3デッキに対して、展開力で応戦するミッドレンジロイヤルも、引き続き環境トップクラスでした。この4強状態になった結果、各クラスから次の5枚がナーフされました。
- 騎士王・アーサー
- グレモリー
- 侮蔑の絶傑・ガルミーユ
- 闇喰らいの蝙蝠
- フラウロス
◆アーカスネクロ・ランプドラゴン・蝙蝠ヴァンプなど
ナーフ後もアーカスネクロが最強格でしたが、程なくしてスカルリングがナーフされ、アディショナルも受けて再び環境が変わります。アンリミでは、フェイスドラゴンの台頭からヒッポグリフの乗り手がナーフされました。
2度のナーフを経て台頭したのは、暴竜・伊達政宗の追加もあったランプドラゴンです。伊達政宗とポセイドンと同時に並べて、圧倒的な盤面を作るのが強力でした。また、ナーフを受けても自傷ヴァンプは変わらず強く、ドラゴンと並ぶ環境トップでした。さらに、マナリアウィッチの台頭も印象的です。
2019年:機械・自然タイプ登場
新たなカードタイプとして、第12弾パック「鋼鉄の反逆者」では機械、第14弾パック「森羅咆哮」では自然が追加されます。全クラスに共通のテーマが配られ、一味違った環境が始まりました。
次元歪曲(ALT)
◆ミッドレンジロイヤル・ランプドラゴン・マナリアウィッチが台頭
環境初期は、新カードで大幅に強化されたロイヤル、安定感が増したマナリアウィッチ、氷獄の王・サタンを軸としたランプドラゴンがトップに立ちました。この3強で固まった結果、実装から程なくして炎獅子の大将軍、光魔法の教師・ミラ、忌まわしき紫竜の3枚がナーフされました。
また、苦戦していたエルフは、翠嵐の斧使いのアッパーで希望を見出します。
◆ナーフ後は多様な環境
新たに聖獅子ビショップやリーシェナネメシス、アグロエルフが台頭し、バランスの取れた環境になりました。特に、聖獅子ビショは扱いやすく、かなり流行していた印象です。また、ナーフを受けたロイヤル・ウィッチ・ドラゴンも、構築を変えてしぶとく生き残っていました。
鋼鉄の反逆者(STR)
◆ミッドレンジロイヤル・スペルウィッチ・アーカスネクロなど
新カードタイプの機械が追加されましたが、この時点では安定性に欠け、環境トップには至りませんでした。その代わり、前期から研究が進んでいるミッドレンジロイヤル、アーカスネクロ、自傷ヴァンプといったデッキが台頭します。また、聖獅子ビショップも引き続き流行していました。
さらに、アディショナル後はスペルウィッチも増加したり、アーカスネクロの再評価もあったりしました。結果として、ローテではDBN期ぶりにナーフがなく、多様な環境だったと言えます。アンリミでは、フェイスドラゴンの勢いが止まらず、ダークドラグーン・フォルテの1枚制限がありました。
リバース・オブ・グローリー(ROG)
◆復讐ヴァンプ・エイラビショップが台頭
ROG期は、久しぶりに大荒れの環境となりました。デッキから引くだけで復讐状態になる絢爛のセクシーヴァンパイアを軸に、復讐ヴァンプが最強格に押し上げられます。また、清純なる祈り・エイラの追加で、エイラビショップもトップに立ちました。
そして、両者の対決ではヴァンプのほうが強く、1強状態を生み出してしまいます。その結果、セクシーヴァンパイアと哀切の悪鬼が致命的なナーフを受け、従来のデッキは機能しなくなりました。また、ビショップのほうも許されず、軸となるエイラがナーフされました。
◆機械ウィッチ・機械復讐ヴァンプ・機械エイラビショップなど
ナーフ後は、機械を織り交ぜたデッキが環境の中心となります。特に、機械ウィッチは安定感と火力が高く、環境トップに躍り出ました。また、ナーフを受けた復讐ヴァンプとエイラビショップも、型を変えてトップに食い込んできます。その他のデッキにもチャンスが生まれ、ナーフ前に比べると落ち着いた環境でした。
森羅咆哮(VEC)
◆自然ビショップの1強状態
初めてのプレリリースが行なわれ、新環境を一足早く楽しめたVEC期。さまざまな予想がされる中、トップに立ったのは自然ビショップです。黄金都市を活かしてアミュレットを早く割りつつ、報復の白き刃・アニエスで打点を出すのが強力でした。
他にも自然デッキはありましたが、結果として自然ビショップの大流行となり、黄金都市が手痛いナーフを受けます。
◆ナーフ後の環境変化
黄金都市が抜けても、自然ビショップが環境トップを維持しました。しかし、豪風のリノセウスを軸としたOTKエルフや、自然ドラゴン、自然ロイヤルなども有力でした。また、アマツエルフも火力が高く、トップ争いに参入してきます。しかし、自然ビショの勢いが止まらず、アニエスのナーフでようやく衰退していきました。
2020年:プレリリースと最速ナーフ
VEC期から始まったプレリリースでは、次弾のカードパックを購入し、一足先に新環境を楽しめました。その結果、本実装からわずか3日でのナーフもあったのが2020年です。
アルティメットコロシアム(UCL)
◆式神ウィッチ・妖怪ネクロが台頭
UCL期は、「陰陽師vs妖怪」の構図が印象的です。陰陽の開祖・クオンを軸とした式神ウィッチと、大妖狐・ギンセツを軸とした妖怪ネクロが環境トップに立ちました。しかし、それ以外のクラスも有力視され、かなり拮抗した環境となります。
そんな中、ヴァンプはかなり苦戦しており、ディアボロス・アギトと仁義の悪魔・ユヅキがアッパーされました。しかし、大きな影響はなかったと言えます。
◆コントロールエルフ・進化ロイヤル・自然ドラゴンも台頭
熾烈な環境の中、アディショナルを経て、コントロールエルフと進化ロイヤルが抜け出してきました。また、前期から強かった自然ドラゴンも強化を受け、再びトップに躍り出ます。総じて、不遇なクラスはあったものの、ナーフもなく純粋に盛り上がった環境と言えるでしょう。
ナテラ崩壊(WUP)
◆機械エルフ・ディスカードドラゴンの3日天下
当時の機械エルフの強さは、プレリリースの時点で危惧されていたものです。鉄扇のエルフでコストを下げた鋼鉄と大地の神を出し、次のターンに螺旋の鉄腕・ダミアンを連打するのが非常に強力でした。また、手札を捨てるたびに2ダメージを飛ばす波濤のプレシオサウルスも怖い存在でした。
本実装されると、やはり機械エルフとディスカードドラゴンの2強となってしまいます。そして、本実装から3日目に鉄扇のエルフ、ダミアン、プレシオサウルスのナーフが決まりました。プレリリースのおかげで早い対応になったものの、不満の声が多かったのは事実です。
◆ナーフ後は多様な環境
波乱の幕開けでしたが、徐々に落ち着いた環境になっていきます。WUP期は機械と自然の調和がテーマであり、機械自然ヴァンプ、機械自然ドラゴンなどが躍進しました。また、機械ネメシスや機械エイラビショップに加え、アッパーを経て冥府ネクロも台頭してきました。
運命の神々(FOH)
◆連携ロイヤル・葬送ネクロが台頭
さまざまなデッキが見られる中、環境初期は連携ロイヤルと葬送ネクロが台頭します。特に、新キーワードの連携はロイヤルと相性が良く、扱いやすさもあって流行しました。その結果、君臨する猛虎とオネストシーフがナーフされ、早くも環境が変わっていきます。
◆異形エルフ・葬送ネクロが台頭
連携ロイヤルに代わって、死期を視るもの・グレモリーのPP回復が強い葬送ネクロや、OTKを狙う異形エルフなどが環境トップに現れます。秘術ウィッチも強力でしたが、結果的に、ネクロとエルフから幽暗の墓守と地を裂く異形がナーフされました。
◆進化ロイヤル・式神ウィッチ・背徳バアルヴァンプなど
2度のナーフとアディショナルを経て、大幅に強化された進化ロイヤルや式神ウィッチがトップに立ちます。式神軸のほうが強いことから、秘術ウィッチは数を減らしました。また、攻撃的な背徳バアルヴァンプも増加し、環境が固まっていきました。
レヴィールの旋風(SOR)
◆守護ビショップ・グレモリーネクロ・AFネメシスが台頭
新カードによって大幅に強化された、守護ビショップやグレモリー(葬送)ネクロが台頭し、そこに進化ロイヤルやAFネメシスが追従する形でした。結局、ビショップ・ネクロ・ネメシスで環境が固まりつつあったので、多くのデッキを支えたゼルガネイアを含め、次の4枚がナーフされました。
- ホーリーエンチャンター
- トリニティモンスターズ
- アーティファクトスキャン
- 《世界》・ゼルガネイア
◆連携ネメシス・ロキサスエルフ・アグロネクロなど
ナーフとアディショナルを経て、大きく躍進したのは連携ネメシスとロキサスエルフでした。また、背徳バアルヴァンプやアグロネクロといった前寄せのデッキに加え、回復力の高い清浄ビショップも増えていきます。そんな中、特に安定していた連携ネメシスは、ストレイホロウ・イルガンノのナーフを受けて姿を消しました。
2021年:比較的多様な環境へ
以前に比べると環境が荒れることは少なくなり、ほとんどのクラスに可能性のある環境が続きます。とはいえ、構築や立ち回りの研究が進み、どの環境でも突出して強いデッキはありました。
十天覚醒(ETA)
◆乗り物ドラゴン・ロキサスエルフ・グレモリーネクロ・式神ウィッチなど
ETA期のローテは、ナーフがなく、アッパーとアディショナルのみで環境が変化していきました。環境を通じて活躍したのは、爆発力の高いロキサスエルフやグレモリーネクロ、扱いやすく火力が高い乗り物(疾走)ドラゴンです。特に、ドラゴンは古今独歩の大拳豪・ガンダゴウザの登場が追い風でした。
また、アクセルヒーロー・マイザーが過去最高レベルのアッパーを受け、式神ウィッチが久しぶりに浮上してきます。しかし、アディショナルでの強化が乏しく、最後はロキサスエルフとグレモリーネクロの2強に落ち着きました。
また、前期のアンリミでは、スカルフェインの大幅なアッパーがありました。しかし、あまりにも強力すぎたので、ETA期をもってナーフされています。
暗黒のウェルサ(DOV)
◆AFネメシス・グレモリーネクロ・乗り物ドラゴン・進化ヴァンプなど
UCL期の強力なカードがローテ落ちし、新たなデッキが多く生まれたDOV期。環境初期は、セッカエルフや進化ヴァンプといった新勢力が台頭してきます。また、ローテ落ちの影響が少ないロキサスエルフや、乗り物ドラゴンも変わらずトップクラスでした。
しかし、アッパーとアディショナルによって、AFネメシスとグレモリーネクロが2強の様相を呈してきます。ネメシスは音速の機構・ララミア、ネクロはナイトメアイーターのアッパーを受け、環境トップの座を固めました。特に、ネクロに追加された忌まわしき再誕は、以降の環境でも暴れることになります。
リナセント・クロニクル(RSC)
◆ラティカエルフ・アミュレットビショップが台頭
ローテ落ちで姿を消したAFネメシスとグレモリーネクロに代わって、ラティカエルフとアミュレットビショップが猛威を振るいます。
エルフは、万緑の回帰・ラティカでのOTKや、強力な盤面形成を安定させました。また、ビショップはナテラの大樹の再録が追い風となり、栄華の加護神・ヤテラントゥでの制圧が非常に安定していました。その結果、エルフは英雄の覚悟、ビショップはヤテラントゥとパニッシュメントスナイパーがナーフされます。
◆撤退ロイヤル・ラストワードネクロ・機械ネメシスなど
ナーフ後は、ビショップを苦手としていたラストワードネクロや、機械ネメシスが浮上してきます。いずれも強いデッキでしたが、環境中盤に考案された撤退ロイヤルのパワーは、特に印象的です。指揮官フォロワーを光耀の標・ミストリナ&ベイリオンに絞り、劇的な撤退で使い回すのが強力でした。
災禍を超えし者(DOC)
◆ラストワードネクロ・連携ロイヤル・スペルウィッチが台頭
前期とほぼ同じ構築のラストワードネクロに加え、新カードで強化された連携ロイヤルとスペルウィッチが、環境初期を席巻しました。また、上位3デッキには劣るものの、大幅に強化された狂乱ヴァンプも有力視されます。これにより、分かりやすく「4強4弱」の構図が出来上がりました。
その結果、全クラス一斉に大規模なカード調整が入ります。上記の4クラスにはナーフが入り、それ以外にはアッパーが入りました。ナーフされたカードは次の通りです。
- インモラルディザイア(常闇の花嫁・セレス)
- 光耀の標・ミストリナ&ベイリオン
- ユニオン・マジック(究明の魔術師・イザベル)
- アルティメット・マジック(〃)
- 夜天の吸血鬼
アッパーされたのは、次の5枚でした。
- 原始の悪神
- 竜槍の戦士・ローウェン
- 黒龍の呪い(竜槍の戦士・ローウェン)
- フリッグ
- 妄想少女A・ルナール
また、今期はスタックが追加され、土の秘術関連のカード7枚がアッパーを受けました。
◆進化ネクロ・セッカ/ラティカエルフ・進化ウィッチ・AFネメシスなど
ナーフ後は、新カードで強化されたセッカ/ラティカエルフや進化ウィッチ、AFネメシスが浮上してきます。また、ローウェンのアッパーにより、ドラゴンも数を増やしていきます。しかし、アディショナルでケルヌンノスとカースメーカー・スージーが追加されると、ラストワード軸に代わる進化ネクロが急増しました。
このような環境でしたが、意外にもナーフされたのはアブソリュート・トレランスでした。機械ネメシスのキーカードでしたが、DOC期では徐々に数を減らしていたので、意外なタイミングでのナーフと言えるでしょう。
また、アンリミではAFネメシスの1強状態が生まれ、久しぶりに制限が入ることになります。加速装置が1枚制限となり、デッキの出力がかなり落ちました。
2022年:クロスオーバー初開催
環境の多様性が増していく中で、期間限定の新フォーマット「クロスオーバー」が登場しました。2クラス混合という特性を活かして、夢のあるコンボを実現させた方も多いでしょう。
十禍闘争(OOS)
◆進化ネクロの1強状態
多様性が増しているとはいえ、OOS初期は違いました。前期の環境トップだった進化ネクロが、霊体の侵入とクランプスという強力なパーツを得て、1強状態となってしまいます。その結果、程なくして忌まわしき再誕と虚無ノ哭風・グリームニルがナーフされ、従来の型は機能しなくなりました。
◆ラスワ進化ネクロ・バーンドラゴン・ラティカエルフ・AFネメシスなど
ナーフ後の進化ネクロは、ラストワード軸と組むことで環境トップに立ち続けました。それに対して、高い火力で押し切るバーンドラゴンも、アディショナルを経て有力視されます。また、爆発力の高いラティカエルフやAFネメシスも、使いこなせれば強力でした。
そんな中、ロイヤルとウィッチは下位に沈んでおり、アディショナル実装と同時にアッパーが入りました。ロイヤルは撲滅の兵団長、ウィッチは式神・貴人(ウーシンマスター・クオン)が強化され、以降の環境で日の目を浴びることになります。
◆クロスオーバー環境
クロスオーバーでは、忠義の剣士・エリカの打点を伸ばす連携ネクロ/ロイヤルが大暴れしました。その結果、4日目早くもエリカが禁止カードに指定されます。その後も、スペルラティカ(ウィッチ/エルフ)を中心に、予想以上に環境が固まっていました。詳しくはこちらもチェックしてみてください。
天象の楽土(EOP)
◆フラグラネクロ・連携ロイヤル・バフドラゴン・スペルウィッチなど
双極の生命・フラム=グラスが追加され、環境中盤に考案されたのがフラグラネクロです。ケルヌンノスから7点疾走のフラム=グラスを出すコンボデッキで、対応力と決定力の高さから環境トップに躍り出ました。また、従来の進化ネクロもまだまだ強く、ネクロの色が強い環境となります。
それに対して、安定感が増した連携ロイヤルやバフドラゴン、決定力に長けたスペルウィッチが対抗馬に浮上します。また、新カードタイプの宴楽が追加され、ハンドレスヴァンプやユキシマウィッチといった新勢力も現れました。さらに、前期に続いてAFネメシスも有力視され、かなり拮抗した環境でした。
また、DOV期以来のナーフがなかった環境でもあります。
極天竜鳴(RGW)
◆フラグラネクロ・共鳴ネメシス・秘術ウィッチなど
記憶の軌跡が落ちたフラグラネクロには、ドローソース兼打点となる霊魂の統率が加わり、引き続き環境トップかと思われました。しかし、勇気の少年・カシムや解放の少女・ローザなどを得た共鳴ネメシスが現れ、ネクロを超えるほどのパワーを示します。
秘術ウィッチも大幅に強化されましたが、ネクロ・ネメシスの2強という見方がやや強く、結果的に両デッキのフィニッシャーである双極の生命・フラム=グラスがナーフされます。また、アンリミでも機構の解放、カシム、ローザの3枚が制限される異常事態でした。
◆ナーフ後の環境変化
スタックの追加から地道に強化された秘術ウィッチが、ついに環境トップへ躍り出ました。特に、工房の錬金術師・ノノの追加が大きく、スタック補充と盤面強化の2点で役に立ちます。また、フラグラネクロはナーフの影響が少なく、変わらずトップクラスの強さでした。
共鳴ネメシスは、フラグラの代わりにアルティメットバハムートを軸に据え、コントロールに寄せるのが主流となりました。他にも、進化ロイヤルやモノヴァンプなど、地道に強化されてきたデッキの台頭が印象的です。アディショナル後は、ラティカエルフが輝きを取り戻しました。
まとめ
シャドバのサービス開始から、「極天竜鳴」までの環境について振り返っていきました。ナーフが絶えなかった初期に比べると、最近はバランスの取れた環境が続いています。今後もどんな環境になるのか、ぜひ注目していきましょう。