Woldsと挑戦者

「敵のネクサスを破壊したあの瞬間、僕らは世界最強のチームだった。でも24時間が経った頃には、また挑戦者に戻ります」

—Rookie選手のこの言葉が締めくくる、想いの詰まったこちらの動画をご覧ください。

World Championship(世界王者)の称号を獲得するためのたやすい道など、存在しない。そして中国リーグLPLにとっては、2013年と2014年の2年連続Final敗北、そしてそこから3年連続のFinal進出なしという、苛烈極まる道のりだった。しかし今年、Worlds 2018において、中国はついにFinalの舞台に戻ってきた。韓国インチョンでのFinalのカードはLPL代表Invictus Gaming対EU LCS代表 Fnatic。4年前にLPLに参加するため故郷の韓国を離れたミッドレーナーRookieが率いるInvictus Gamingは、覇道と呼ぶに相応しい今年のLPLの躍進を、これまで追い求め続けていたWorld Championの称号を獲得して締めくくらんと試合に臨む。

11月9日、Riotの公式HPにこの記事が公開されました。見た私まで何だか泣けてくる、胸がぎゅっとする動画です。

それもそのはず、Rookie選手の歴史は長いです。

「Fakerジュニア」と呼ばれ、世界屈指のMIDレーナーと評されていた彼。KT Arrowsという韓国のチームに属していた彼は、2014年、LCK(韓国リーグ)のファイナルで惨敗、Worlds出場を逃していました。その後中国のInvictus Gaming(IG)へと移籍。2015年にはWorlds出場を果たすも、強者Cloud9とFnaticのいるグループに入り最下位で敗退。以来、Worldsの舞台でRookieを目にすることはない—世界屈指のMIDレーナーは、LPL(中国リーグ)の幻となっていました。

時は流れ2018年。IGの選手は高い評価を持ちながらも、ここ一番で勝利を逃しているチームでした。今回のWoldsも、クオーターファイナルの抽選会でやはりIGは、、と思った方も多いはず。

なぜなら、IGはまずRookieの旧所属チーム、KT Rolster(KT)に勝つ必要がありました。もし勝ったとしても、セミファイナルの相手はRoyal Never Give Up(RNG)になると誰もが予想していたでしょう。RNGには、Wolds以前の試合、LPL PlayoffでもSpring/Summerでも敗北しているのです。いつも、IGはRNGの影に飲まれてしまいます。

しかし、2つの大番狂わせが起きました。まずIGがゲーム5までもつれこむ接戦の末にKTを撃破しました。続くG2 Esports(G2) VS RNGも、フルセットの末にG2がRNGを下します。RNGの影から這い上がり、Worldsでは優勝できない呪いから解き放たれるまであと1歩—この韓国の地で、LCK代表のチームを抑えて、LPL代表とEU LCS(ヨーロッパリーグ)代表が激突します。

「まだ一度も優勝していないのに、自分はこのファンの称賛や応援に見合うだけのプレイヤーなのだろうか?と最初は自問していました。でも今は――僕は熱心なキリスト教信者なのですが、捧げてきた祈りの中で聞こえたんです。これは好機だ、今こそファンに報いる時なんだと。だからこれぞiG、これぞRookieというところを…そしてここまで来たぞ、というところをファンに見せたいと思っています」

https://jp.lolesports.com/news/worlds18-almost-winners

この史上最高のチャンスを、彼らが掴み取ったかどうか。それは既に周知のとおりです。


LoLファンからすると当たり前の歴史なのかもしれない。Rookie選手に限らず、それぞれの選手がいろんな物語を持っているのは当然で、もっとスポットライトを浴びるべき経歴の選手だっているのかもしれない。

でも。勝利の瞬間、5年ぶりに大好きな人に会うかのように無邪気にチームメイトに抱き着いたかと思えば、思い出したかのように突然涙をこぼしたRookie選手。「24時間が経った頃には、また挑戦者に戻ります」と締めくくった彼の言葉。彼の存在が、Woldsの伝説が塗り替えられていくことの重みを、私に教えてくれました。

勝者がいれば、その反対があるのは当然で。今までLoLを知っている方が感動するのは、その戦いの歴史を、背景を身をもって知っているからなのが大きいと思います。

それを誰よりも深く味わってきたRookie選手は、LoLに触れたばかりの私にもその背景を見させてくれました。自分の姿で、振る舞いで、考えさせられるものを与えてくれました。

まさに、王者として彼はふさわしい。動画をみて、改めて実感しました。

「番狂わせ」「誰も予想できない」—そんな言葉が多く飛び交った今回のWolds。

来年はどんな新しい歴史が生まれるのか。そして私はどんな観点でそれを見ることになるのか。

挑戦者たちの戦いは、既に始まっています。

この記事の著者

Ray.Kubota

Ray.Kubota

Eスポーツは主に、LOLをメインにプレイしています。趣味は、コスプレです♪

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