MSI2021 1戦目<GilletteInfinity vs DetonatioN FocusMe>DFMはどうするべきだったのか?

さて、この記事は「記事をDFMに届けたい!」なんて一切考えていません。彼らは僕よりも遥かにLOLの知識が深いので、僕が気づいたことなんかはとっくに気づいてるでしょうし、もっといい方法も見つけているでしょう。

もう1つ念を押して言うなら「見ているこちらと、プレイしている彼らでは難易度が500倍くらい違う」ということです。僕やLJLのコメントの批判なんてものは、言うだけなら誰でもできるんです。なのでこの記事では色々きついことを書いていく予定ですが、あくまでそれは「これができないと世界で勝てない」ということ。そして「我らがDFMならやってくれるはずだ!」という期待を込めて、書いていることをご了承ください。

見る方もこれを見て「DFM全然だめじゃん!」という風に捉えるのではなく、逆に「明日ここ治せば勝てるってことっしょ!DFM!DFM!」という気分で読んでいただけたら幸いです。

MSI2021 1戦目<GilletteInfinity vs DFM>ピック面の疑問

世界戦は基本的に、独特なピックになるものです。パッチもLJLは11.5。他の大会も11.6で行われてました。11.7でしていた地域もあるのかな?ちょっと急いで書いているので調べれないですが、少なくともMSIパッチの11.9とはかなり期間が開きました。なので「これが正解だ!」というものは正直僕の中にもないですし、逆にここで散々否定的なことを僕が書いたけど、実はDFMが正しかったということもあるかもしれません。ただやっぱり「これは違うんじゃないかな?」と思う部分があったので、書いていこうと思います。

◆レネクトン・アカリのフレックスピックは必要だったか?

「レネクトンだけ」もしくは「アカリだけ」のフレックスピックでは、いけなかったのでしょうか?たしかに「2レーンフレックスピック」という戦術は、有効な戦術です。

例えば、今回の場合のようにTOP or MIDで取った場合なら、先に2つのレーンを見せたのにも関わらず、見せたレーンが負けづらくなります。それに加えて、後出しでSUP JG ADCのレーンが後出しできるわけです。しかしDFMのチャンピオンプールは、恐らく「MID>TOP>JG>ADC>SUP」ですよね?基本的に、後出しで出す選手は「チャンピオンプールの広さ」が必要ですし、後出ししただけの活躍が求められます。

なのにTOP MIDでチャンピオンを固定して、SUP JGを後出しで出していくのは、セカンドBANフェイズで2つ消されることを考えれば、むしろ自分の首を締めている行動ではないでしょうか?特にKazu選手がピックするのは、エンゲージチャンピオンだろうなと言うのは、見るからに分かりましたよね?もちろん、相手にセカンドBANフェイズでBANされる可能性もありましたが、例えば4つ目のピックで「アカリorレネクトン」をピックしていても、相手からすればそれがどちらのレーンに行くか分かりませんよね。

DFMというチームのロール別での、プールの広さやキャリー力を考えれば、少しもったいないピックだったと思います。

◆カイサは優先するべきピックなのか?

そもそも、カイサは優先するべきピックなのでしょうか?確かにRNGのGALA選手も使ってましたし、弱いピックではありません。

前回までのパッチで、カイサが優先されていたのは「ウディア・ヘカリム・ボリベア」というバックラインや、孤立した対象に対してエンゲージをして、CCをかけれるチャンピオンが強かったからでした。そういった飛び込めるチャンピオンが味方にいれば、カイサはウルトを使って合わせれるのでキャッチから育つこともできましたし、集団戦でも活躍することができました。しかし、現在そういったジャングルが思考停止でピックするほど、ナーフの影響で強くないのでカイサを優先するのは、ピックの幅を狭めていることになります。

もし、ADCを先に出すならレーンの主導権が取れる「ヴァルス」「ジン」「ジンクス」のような、主導権を取れるピックを意識するべきです。実際に5月6(7)日の6試合で、カイサを優先したのはDFM以外では1試合しかありません。

◆ジャングルを優先しなかったのはなぜか?

「ランブルをジャングルだと思わせてミッドに置いてキンドレッドを取る」というチームはありましたが、そのチーム以外は全てセカンドBANフェイズ前の3つで、ジャングルを取っていました。数で言えば延べ12チーム中2チームしかありませんし、その1チームもランブルを先に見せていました。

現在モルガナ・ランブルがOP扱いで、あまりピックされてこなかったフィドルが、当たり前のように先に出されているのを見れば「ジャングルを制圧するメタ」ではなく「ファームして強いこと」「ファーム速度が早いこと」が重視されていることが伺えます。なのにも関わらずチームのバランスをまとめたり、カウンターピックなどでキャリー役になることが求められるラストピックにジャングルを回し、挙げ句「パワーが無い」と評価されていたヘカリムを出しました。

ヘカリムが弱いかどうかの議論は、置いておいても「じゃあなんで先出ししない?」という疑問は残ります。単純に先出しすれば、ラストピックを他のロールにしてキャリーを任せることもできますよね?現在パワー不足と言われてて、なおかつ安定ピック扱いであるヘカリムを、わざわざラストピックに持ってくるのはどうだったんでしょうか?

◆何故へカリムをピックしたのか?

そもそもの話、先出しでも強い「リリア」「ニダリー」というチャンピオンは、BANされず残っていました。また、ピックしにくいけどパワーのあると評価されているチャンピオンなら「ザック」「フィドル」「ダイアナ」なども残っていました。なんなら「カーサス」とかでも面白かったのではないでしょうか?わざわざラストピックまで残して、あのピックは「うーむ・・・」と言わざる得ませんでした。ADを積んでいく、キャリーヘカリムにでもするのかなと思ったくらいです。

MSI2021 1戦目<GilletteInfinity vs DFM>理想の試合展開とは?

「ピックをどうしたら良かったのか」という話は、1度置いておいて「あのピックでの理想の試合展開は、何だったのか」という話をしていこうと思います。

◆ソロレーンを活かした試合展開

先程かなり否定的に書きましたが、実際に「アカリ・レネクトン」というピックで、TOP MIDのソロレーンはカウンターピックを取ることができました。DFM的には、この2体を取ればどんな組み合わせでも、2つのレーンが有利に作れると考えたピックだったのかもしれませんね。理想としては、この2つの主導権を使って試合を有利に、進めていくべきです。

◆BOTレーンはファームが必要だった

逆にBOTレーンのマッチアップは有利不利は置いておいても、ソロレーンで主導権が取れる前提なのでジャングルは、上側で試合を作ります。

ジャングルをしていない人は勘違いしがちですが、ジャングルがツイステッド・フェイトのウルトを持っていなくて、分身してBOTとTOPに同時にガンクできない以上、基本的に強く見れるレーンは2つが限界です。

ヘカリムやレネクトンといったキャッチが強く、カイサのウルトも発動できるCCがあるチャンピオンがいるので、カイサに求められるのは、そのキャッチに合わせれるダメージになります。つまり相手のADCと同じくらいCSを食べていれば、自然とキルが入ってくる試合展開になります。逆に激しくやりあっても、ヘカリムがBOTレーンを見ることが難しいので、助けることができません。もしBOTレーンを見てしまうと、主導権が取れるはずのTOPサイドが、潰れてしまう可能性もありますからね。

◆レネクトンを使ったマップコントロール

レネクトンが「イグナイト」を持っていたなら、キルを狙うレーンにしてもいいとは思いますが、今回持っていたのは「テレポート」なので、しっかりレーンの主導権を取り、マップ全体を押し上げる役割をもっていました。理想としては、マップ全体を押し上げてチームに有利な形を作ってあげ、その有利な形から「アカリ・ヘカリム・カイサ」のバーストと、機動力でキルを取っていく形が理想です。

MSI2021 1戦目<GilletteInfinity vs DFM>実際の試合展開を振り返る

さて前章で説明した「理想の試合展開」ということを頭に入れて、実際の試合を軽く振り返ってみましょう。

◆MID・BOTでの事故

この試合、序盤で1番やってはいけないことがMIDそしてBOTと、立て続けに2度も起こってしまいました。しかもジャングルの介入がない死に方だったので、トレードの方法もなく純粋にチーム全体が、大きくコケてしまいました。これは理想の試合展開である「レネクトンを使ったマップコントロール」と「カイサのバーストを使ったキャッチ」という、重要なカードが消えてしまったことを意味しました。

◆相手の甘えを突きカムバック

しかしながら、今年のDFMの底力を見ることができました。相手の一瞬見せた甘えを見逃さない、BOTレーンへの仕掛けで試合展開を少し、楽にすることができました。この甘えを突けたのは、しっかりヘカリムのレベル6を待っていたからだとも言えます。強いチームでも序盤から全て上手くやることは、毎回できることではないので、この甘えを突けたプレイは純粋に、DFMの強さを証明した1つだと思っています。

◆オブジェクトを捨ててEvi選手のスノーボールを手に入れる

ドラゴンを捨てたシーン

ヘラルドを捨てたシーン

この試合はマクロ面でも、DFMは試合巧者ぶりを見せつけました。BOTサイドでキルを拾ってカムバックした後、同じBOTを狙うのではなくドラゴンを捨てて、Evi選手のアカリをスノーボールさせる選択肢を取りました。これは当初予定していた「ソロレーンを活かした試合展開」に戻した形ですが、甘えを突いた形とはいえ「上手くいったレーン」から一瞬で切り替えて「今、1番上手くいくレーン」を使うのは、とても難しいことです。

その後もリフトヘラルドを捨てて、BOTレーンにいたEvi選手と共にキルを取り、ファーストタワーまで繋げました。これは「リフトヘラルド=1タワー」という計算だったとしても、BOTでの1キルとファーストタワーゴールド分だけDFMが、得するという計算をしっかり理解した良いマクロでした。

試合を決定づけた致命的なミス

ここまでは、とてもいい試合展開でした。もちろん序盤こそ事故が起きましたが、そんなことも忘れてみんな興奮していたのではないでしょうか?そうあのミスが起きるまでは。

致命的な負けのシーン

◆ドラゴンにこだわるべきではなかった

そもそもの話、この試合は序盤に事故が起きた時点で、ドラゴンはDFM側が4つ取るということは「目標」にするべきではありませんでした。もちろん取れるものなら取るべきですが「そもそも4つ集めるのは試合時間で何分になるんだよ」という状況でしたよね?

一方、相手もBOTレーンで甘えてDFMにスノーボールを許した段階で「ドラゴンは取れそうだけど4つ取るまでミスなくやらないといけない」という状況になっていて、ドラゴンを取ることはリスクだと考えていたはずです。実際あの時も、わずかですがDFMがゴールドで上回っていて、アカリを止める術はありませんでした。

◆集団戦を頭に入れるべきではなかった

ただ一方で、どれだけ育っていても「アカリは所詮アサシン」ということを忘れてはいけません。確かに集団戦で相手のキャリーを瞬殺できたり、Wの煙幕で相手のキャリーに仕事をさせなかったり時間を稼いだり等、そういった集団戦の強さは間違いなくあります。しかし「確実に倒せるのは1人」だったり「最低でもREの距離感にいないと仕事できない」というような弱さ、つまり「いればただ強いチャンピオンではない」ということです。Wの煙幕での時間稼ぎも、結局その間に味方がダメージを出してくれる前提での話になりますよね。

DFMは先程説明したように、オブジェクトを捨ててキャッチを成功させていたわけですから「アカリをスノーボールさせる」。つまりキャッチの動きを続けるべきで「とりあえずアカリ寄せて集団戦するか」という考えは、完全に間違いでした。

では具体的には・・・と言っても、具体的に聞かれると困るな。まぁあくまで「投げっぱなしの理想論を具体的に語る」とか言う風に思って、聞いてください。

◆Evi選手のアカリを活かすべきだった

先程も言ったように「アカリのスノーボール」を成功させていたわけですから、その雪玉をもっと大きくすることを考えるべきでした。例えば「4vs4でにらみ合う形を、できるだけ長い間キープして逆サイドでソロキルを狙ってもらう」「オブジェクトを捨ててでも、相手がそのオブジェクトを取るよりも早いペースでその逆側のオブジェクトとキルを狙う」集団戦をするにしても「相手がアカリの位置を把握できないような形を意識する」「アカリ側に相手の人数を割かせて、4vs3で有利を取る」などの工夫が必要だったでしょう。

◆キャッチを狙うべきだった

アカリもそうですが、レネクトンも比較的サイドレーンのプッシュが強いチャンピオンですし、ヘカリムもサイドへの寄りが強いチャンピオンでもあります。その強みを活かしてサイドを押し込んで、広く広くマップを使えば相手がサイドに意識が向くので、孤立したり浮くタイミングは増えます。そうして先程行ったカイサを含めたキャッチで結果を出せば、カイサのDPSも上がり、バロンへの圧力も上げることができたでしょう。

◆オブジェクトを捨ててトレードし続けるべきだった

あのシーンで言えば、ドラゴンを2つなんなら3つ捨てることが可能でした。例えばあのシーンでドラゴンを捨てて、バロン側でマップコントロールを取ることをしていれば、アカリが見えない位置からスタートする集団戦の形は、容易に作れたでしょう。

そのまま相手が前に出てこなければ、バロンをスタートして取り切ることも可能だったはずです。もちろんバロン周りでの行動も、難易度が高いことは否めません。2回ドラゴンを捨てて、その行動をすればチャンスは2度あることになりますよね?あそこで真正面からスタートするような不利なファイトをするくらいなら、ドラゴンを2度捨ててでも、有利な状況のファイトを狙うべきでした。

◆形を作ったのならこだわるべきだった

もしくは、あの形を作ったのならレルを活かす形に、こだわるべきだったと思います。レルが、あの位置でバレていないことは確定だったので、ドラゴンをスタートさせてミッド側から追い込んだところで、BOTで待機していたレルが入るという形です。

もちろんそれをするには視界のない状態で、MIDからBOTのリバーに入るというリスクを抱えているわけですが、結局レルがあそこに入っている時点で、合流するのもリスクなわけです。結果論で語っているかもしれませんが、その後の集団戦で試合を決める負けをしてしまいましたしね。アカリが真正面でバレていても、バレていないレルが綺麗に入ることができれば、アカリを活かすことは可能です。

あそこでどうしても集団戦がしたくてあの形を作ったのなら、あの形にこだわるべきだったと思います。

何故ミスが起きたのか?

DFM選手レベルのコールやフィジカル、判断力のレベルを知らない僕ですが、もし僕の教え子たちがあの舞台で頑張っていたら、こういう感じだろうなということを考えていきます。

◆世界戦と言う重圧

当たり前ですが、ファーストクラスで何十時間も飛行機に乗って外国へ飛び出し、慣れない環境とプレッシャーの中でプレイすることは、想像もできないくらいの重圧がかかることでしょう。特に今はコロナ化で、ゲーム以外のことも大変でしょうしね。LOLはメンタルゲームなのでお互い様とはいえ、ミスの大きな要因であることは間違いないでしょう。

◆プランと違う試合展開

GilletteInfinity vs DFMの試合は、良くも悪くもプランと違う展開になりました。1番失敗してはいけないところで失敗して、失敗を取り返すのが難しい状態から取り返しました。そういった試合は「現場での判断力」が大きく問われる試合になるので、普段よりもマクロの判断が難しくなります。

◆想像以上の巻き返しに気持ちの抑えが効かななかった

「上手くいっている試合で調子に乗る」ソロQあるあるですが、これはチームゲームでもよく見る光景です。「調子に乗る」という表現だとあれですが、彼らは「リスクを賭ける重要性」を理解しています。つまり「上手くいっていなければ、ひっくり返すためにリスクを賭ける」「上手くいっていれば、上手くいくところにリソースとリスクを賭ける」というようなことをしているのです。

ただ問題は状況によって「賭けるべきリスクの大きさ」と「賭けるべき場所」ということを、プレイしながら判断することはとても難しいということです。賭けが少なければ勝ちきれませんし、賭けが大きすぎると「調子に乗った」と表現のような事故が起きてしまいます。特に上手くいっているときは「何をやっても上手くいく」という空気になってしまいます。実際この試合も、ゴールド差はイーブンだったわけですから、お互い「有利な部分」で勝負したほうが勝つわけです。

この試合で言えば「バースト機動力に優れたDFM」と「集団戦の強さで優れたINF」という形になっていました。特にザヤとウディアは、入ってくるチャンピオンに強いですからね。その有利な場所で賭けるべきでした。

◆集団戦で勝つというシンプルな方法に心が揺れた

ソロQでもよく「all mid」「5vs5」といいますよね。あれ本当に嫌いなんですが、言う人の思考回路はわかります。「勝っているなら5vs5で全員倒せば、それで試合終わりじゃん」って考えですよね。実際チーム経験が少ない選手が多いチームほど、集団戦構成を取ったほうが安定して勝つことができます。難しいマクロを考えず、とりあえず集まればいいので。

このゲームでもアカリが育ち「DFMがもうあとは押し切るだけ」という形でしたし、DFMの選手たちの間でもそういった空気が流れたことでしょう。しかし現実には「アカリを上手く使って押し切るだけ」というのが正解で「5vs5してアカリがキャリーしてゲーム終わらそうぜ!」というのは、かなり難しい状態でした。「何をやっても上手くいく」という空気が流れば流れるほど、そういった「シンプルな勝利」に思考が引っ張られていくものです。

最後に

めちゃくちゃ慌てて書いたので疲れました。この記事を読んで「DFM負けちゃったけど思ったよりも惜しかったんだな」「2戦目もこれからも全部DFM勝ってくれるはず」「ピックの変化はあるのかな?」そういったことを思ってくれると嬉しいです。

DFMのミスに落ち込むのは、胸が痛いほどわかります。でもそれを批判に変えないでください。彼らは僕らが想像している以上に、凄いことを重圧の中でしています。相手だって当然、DFMのミスを誘うように動いてるんです。そのミスは当然減らすべきですが、それができたらとっくに僕もあなたも、チャレンジャーになってますよね。

でも彼らはKRチャレンジャーなんです!きっと僕らが驚くようなスピードでミスを修正して、驚くような結果を出してくれるはずです。Kazu選手だってTFTとサモリフどちらもチャレンジャーになった男ですよ!

DFM!DFM!DFM!

この記事の著者

syouko

syouko

学生時代はスポーツでプロを目指し、その後スポーツのコーチへ。
CIV4マルチという闇のゲームを4年したあとLOLにハマり、アマチュアチームの代表兼コーチとして1年半運営。
LOLを競技として捉えている人達を応援しています。

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