【LoR】EUトッププレイヤーAgigas氏<トーナメントで勝つためのデッキ作りとは?>

この記事では、Agigasさんがまとめた「How to Build a Winning Tournament Lineup」の翻訳を行いました。

先日行われた「シーズントーナメント」においても大いに参考になった記事だったので、次回以降の大会に臨むうえでデッキ構築するための考え方の理解に役立ててもらえればと思います。

この記事をきっかけに、トーナメントシーンに参加するプレイヤーが増えてくれることを切に願います。

トーナメントに向けてのデッキの準備

こんにちは、Agigasです。私はβ版以来、EUサーバとNAサーバの両方でマスタープレイヤーとして活躍しています。その成功のほとんどはトーナメントから来ています。DoR EU #2、DoR NA #13、招待制のFight Night NA #5で優勝し、これまでに12回のトーナメントでトップを獲得しました。

トーナメントの前には何時間もかけてベストなラインナップを探すことが、トーナメントにおいて大きな成功の要因となっています。最初のシーズンのシーズントーナメントがまもなく開催され、LoRにおけるe-sportsも軌道に乗ってきたこともあり、トーナメントのためのデッキのラインナップを解説するのは良いタイミングだと思いました。

もしあなたが、シーズントーナメントや似たようなフォーマットのトーナメントに参加しようと思っているならば、この記事があなたにとって必要な知識を与えてくれることを願っています。

この記事はシーズナルトーナメントのフォーマット(チャンピオンの重複無し、地域の組み合わせの重複無し、チャンピオンなしのデッキが1つ以上ない3種類のデッキ)を前提に書きました。しかし、フォーマットが似ていれば他のトーナメントでのデッキのラインナップの参考にもなります。

◆デッキのラインナップを適切にする重要性

適切なラインナップを大会に持ち込むことで、良い対面になることが多くなり、さらにはBANフェイズを最大限に活用できます。

例えば、アッシュノクサスとゼド/リーシンの両方をラインナップに入れた場合、相手がスカウトを持ち込んでいるときにBANフェイズで厄介な状況に陥ることになることでしょう。なぜなら、最初のデッキがスカウトに対して「いじめる」こと(つまり有利な対面)になり、2番目のデッキがスカウトに「いじめられる」からです。

適切に構築されていないラインナップは、集中した「いじめラインナップ」にいじめられる可能性が高くなります。弱点が全く異なるデッキを選択することは、それらの弱点のいずれかを攻撃するように組まれたラインナップに対して、危険にさらされることになるでしょう。弱点の数と攻撃されるパターンを制限する必要があるのです。

最後の注意点としては、まとまりのあるラインナップを組んで、明確なプランを立てるのも大切な一方で、自分の使い慣れたデッキを持ち込むことも大切であることを忘れてはいけません。

◆マッチアップに対する知識

マッチアップの知識を広げることは、ラインナップを理解する上でとても重要です。これは、どのデッキをBANするか決める際にもとても役立ちます。トーナメントのためのラインナップをより理解するためにも、常に向上心を持ちより多くのマッチアップについて学ぶようにしましょう。

◆デッキ構築には時間がかかる

あなたが何をすべきかがわかっているならば、実際にはかなり迅速に詳細なラインナップを見つけることができます。それを掘り下げて、興味のある選択肢を全て試してみたいと考えるなら、かなりの時間を要することになります。

私は、個人的にはトーナメントにどのデッキを持ち込むか決める前に、数時間かけてラインナップの可能性を考えることが多いです。

ラインナップの組み方

◆いじめラインナップ

このラインナップは、人気のある1つないしは複数のメタデッキに対して、全てのデッキが強い構成です。相手が自分のラインナップのターゲットになっているデッキを持ち込んでいる場合、そのデッキを「いじめる」ことができます。それぞれのデッキが、ターゲットのデッキに対して有利となり、相手はBANすることでターゲットデッキを守ることが出来なくなります。

【例】フィアサムアグロ、アッシュノクサス、スウェイン/TFはソラカタムケンチに勝つための良いラインナップになっています。そのため、そのデッキを持ち込んだ対戦相手は、そのデッキでの勝利が難しくなります。

◆BANラインナップ

持ち込むラインナップの弱点である、特定の種類のデッキをBANします。そのデッキをBANすることで、自分のラインナップに共通する脅威を排除することができます。

【例】スプーキーカルマ、ゴーハード、ゼド/リーシンのラインナップはいずれもソラカ/タムケンチを苦手としている。このラインナップを持ち込んだ場合、ソラカ/タムケンチをBANすることで戦いが楽になり、BANフェーズを最大限活用することができます。

◆柔軟なラインナップ

このラインナップは、環境のデッキ全てに対しておおむね互角のデッキで構成されています。プレイヤーが使用デッキに対して、プレイングに大きな自信を持っている場合に選択されることが多いです。

しかし「柔軟性がある」というのは単に3つのデッキが「良いデッキ」ということではなく、人気のある複数のデッキに対して特に不利なマッチアップがないデッキの事を意味します。

ほとんどの柔軟なラインナップは「プロテクトX」のラインナップから派生したもので、マッチアップが互角の「柔軟なデッキ」を2つと、マッチアップの有利不利が「偏ったデッキ」を1つ選び「偏ったデッキ」が弱いマッチアップをBANします(または「柔軟なデッキ」を1つと、共通の弱点を持つ「偏ったデッキ」2つ選択する方法もあります)。

「プロテクトX」のラインナップは結局、どのデッキにも勝ちうる「柔軟なデッキ」を3つみつけることが難しいので「柔軟なラインナップ」の一般的なバリエーションとなっています。

「偏った」デッキを1つラインナップに組み込むことは、BANフェーズを最大限に生かすことにも価値を見出すことができます。

【例】ヴァイマーターゴンは均等なマッチアップなデッキの1つで、BANフェーズ中はそのデッキを守るためのBANを行う必要がありません。そのため、BANフェーズでそのデッキを守るBANが必要な「偏ったデッキ」であるソラカ/タムケンチデッキとペアを組むことができます。3つ目のデッキは、別の「柔軟なデッキ」かソラカ/タムケンチと同様の弱点を持ったデッキを選ぶと良いでしょう。

3ステップの思考プロセス

◆ステップ1:最初のアイディアを練る

自分の好きなデッキがあってそれを中心に構築したいデッキを決めたり、人気のあるメタデッキがあってそれをいじめたいと思っていたり、相手にしたくないデッキがあったりと、最初の直感をつかむことが出来れば、それを中心として構築を始めることができます。

◆ステップ2:正しいラインナップの構築方針を立てる

あなたの出発点が出来ました。次に、そのアイディアを形にするための骨組みを探してみましょう。

いじめのラインナップを作るために、共通の強みを持ったデッキを探すことができます。実際あなたが簡単にターゲットにできるとても人気のあるデッキを知っている場合は、これを調べることから始めることが多いでしょう。

あるいは、共通の弱点を持つデッキを探してBANラインナップの基礎を固めることもできます。それが柔軟性のあるデッキであれば、そのデッキをベースとして柔軟なラインナップのバリエーションが構築できるか探してみましょう。

◆ステップ3:ラインナップのシナジーを調整する

思考を掘り下げることが出来たなら、自分のラインナップにさらなる相乗効果を加えてみましょう。

ダブルいじめのラインナップ(3つのデッキ全てが2つの一般的な人気デッキに対して有利なマッチアップです)、ダブル禁止のラインナップ(これはそれほど面白くはないが、それでも価値があります)、また良くあることですが「いじめ」と「BAN」ラインナップ(3つのデッキが共通の有利マッチアップと不利マッチアップを持っている)を作ることができます。創造性には限界が無く、物事はとても複雑になります。

タイプの中では「柔軟なラインナップ」が最も作りやすいものであることが多く、それは多くの場合特定のデッキであればどのデッキに対してでも勝てるという自信の表れです。

思考プロセスとして、まずは「ヴァイマーがあればどのデッキに対してでも勝てる自信がある」というようなもので、そこから「後は2つデッキが必要だな」といった感じが多いです。

【注】この3ステップの思考プロセスは、必ずしも従わなくてはならないアルゴリズムではなく、むしろ有益な発見を促す創造的なプロセスであることを忘れないでください。本質的には、ラインナップ構築は創造的なプロセスであり、パズルの完璧なピースを探しながら、各ステップ間を行ったり来たりしていることに気づくでしょう。

【例】
・ステップ1
トーナメントが近づいてきました。私は、ソラカタムケンチデッキにとても納得しています。そして、それをラインナップに入れようと思っています。しかし、私は不利なマッチアップを恐れています。アッシュノクサス、フィアサムアグロ、そしてランドマークの除去を持つデッキです。

・ステップ2
私は、アッシュノクサス、フィアサムアグロ、そしてランドマークの除去を持つデッキのいくつかに対して弱いデッキを他に探してみることが出来たので「BANラインナップ」を構築することにします。私はアッシュデッキが現在とても人気なデッキであることを知っていて、スカウトやシェン/フィオラもアッシュには弱いことを知っています。

そのため私は、ソラカ/タムケンチ、スカウト、シェン/フィオラのラインナップを持ち込むことができ、対戦相手がアッシュデッキを持ち込んでいる場合、それをBANすることが出来ます。

・ステップ3
既にいい感じですが、さらに掘り下げていきましょう。ソラカ/タムケンチとシェン/フィオラはスカウトと相性が良いです。アッシュとの相性の悪さと、スカウトとの相性の良さを両立できる強力なデッキを作ることは可能でしょうか?

それは可能です。スカウトの代わりに招来デマーシアを3つ目のデッキとして採用すると、3つのデッキは全てアッシュとの相性が悪く、スカウトに対して有利となり、相手のスカウトデッキはいじめのターゲットデッキとなります。

このラインアップは「いじめラインナップ」であるとともに「BANラインナップ」でもあります。しかも3つの強力なデッキをプレイしているのです。このラインナップにより、先日のコミュニティトーナメントでCatAsUs選手が優勝しました。もちろんあなたは探求を続けて、他のラインナップを見つけることが出来ます。これは、数ある中のラインナップの1つに過ぎません。

【注】一方で、私が招来デマーシアには抵抗があるけれども、スカウトをプレイするのは好きだとしましょう。その場合は、快適さを優先しましょう。このラインナップはすでにまとまっていて、スカウトのミラーに勝つのはたやすいです。

いくつかのラインナップにシナジーを加えるよりも、自分が自信をもって快適にプレイできるデッキを持っていく方が重要です。さらに、スカウトデッキをテクニカルにアレンジすることで、ミラーマッチに有利な対戦が出来るようになります。

ラインナップのデッキ調整

ラインナップの総合的な有利不利、大まかなプランを踏まえて、ラインナップの各デッキを最適化する必要があります。

◆バンするデッキ以外のデッキに対する調整をする

もっともありがちなミスは、知らず知らずのうちにBAN想定のデッキに対して最適化してしまうことです。

トーナメントに手持ちのラダー用のリストを持って行った場合、それはおそらく全てのデッキに対して戦えるよう調整されていることでしょう。トーナメント環境では、不利なマッチアップについてはBANすることが出来るので、必要のないメタにデッキの枠を譲らないように気を付けましょう。

【例】いつもソラカ/タムケンチをBANしているラインナップの中にスプーキーカルマを組み込みたいとしましょう。スプーキーカルマはソラカ/タムケンチに対して良いマッチアップとなるように「崩壊」を採用することがあります。しかし、トーナメントではソラカ/タムケンチとは対面しないので、このカードをデッキから抜くことを検討すべきです。

◆ターゲットとしているデッキに対して勝てるデッキ構築をする

デッキを最適化するもう1つの方法は、ターゲットとしているマッチアップに勝てるように、デッキをチューニングすることです。

これは、「いじめラインナップ」をプレイしているプレイしている場合特に有効です。あなたのデッキの1つは、ターゲットとしているマッチアップにそれほど強くないので、このようなチューニングを多用することが出来ます。

【例】あなたがスカウトに勝てるラインナップを持ち込み、自分自身もスカウトをラインナップに入れているとする。この場合は、自分のスカウトをもう少し遅いミッドレンジの形にチューンすることで、他のスカウトに対し有利な対戦ができることになります。

◆メタ想定外の構築についての有用性

このフォーマットでのラインナップのためのデッキ構築について、もう1つの重要なポイントは相手の想定を外すことです。

デッキ公開制でないトーナメントでは、想定外のカードをデッキに刺すことに大きな価値があります。想定外のカードを持ち込むことは、BANフェーズに対しても大きな価値があります。型にはまらないデッキの構築は、対戦相手の選択を大きく変えることが出来ます。

ラインナップの詳細分析例

ここでは、シーズントーナメントのフォーマットで行われたコミュニティトーナメントで成功を収めた強いラインナップをいくつか紹介します。これらのラインアップにはよく見かけるアイディアもありますが、全体的なラインナップのメタはとても多様であり、様々な方法でこのフォーマットを攻めていくことが出来ます。

◆スカウトデッキいじめラインナップ

ソラカ/タムケンチラックス/オレソルオレソルシェン/フィオラ

スカウトが環境内で人気があるとき、それをいじめるラインナップが出てくることがよくあります。その理由は、スカウトはとても強力なデッキですが、複数のデッキに苦戦する可能性があるからです。実際に多くのミッドレンジデッキは、序盤の攻撃力で手に負えなくなることなく、凌駕することができます。

3ステップの思考プロセスでは、私の例CatAsUsのラインアップを構築した理由を説明しました。ここでは「スカウトをいじめるラインナップ」を目的に合わせてチューニングをし、対アグロの相性を良くするために、各デッキの構築を正確に分析していこうと思います。

ソラカ/タムケンチデッキでは、2枚の「雇われの殺し屋」と1枚の「ソラリの盾兵」がアグロに対する強力な選択肢であり、1枚の「星の創造」は相手がリーサルダメージを与えようとするときのバーストヒールになります。

ラックス/オレソルデッキでは、3枚の「暗闇の強襲」によって、光輝の守護者のできるだけ早い軌道を目指します。2枚の「ジャッジメント」により、あらゆる多面展開を咎めます。

最後にシェン/フィオラデッキでは、1枚の「防人の帳」と最も特徴的なチューンとして「光輝の守護者」を3枚採用しています。このラインナップは、デッキをチューンナップすることによって、ラインナップの強みをさらに上乗せすることが出来る良例と言えるでしょう。

◆アグロ統一ラインナップ

パイレーツアグロ蜘蛛アグロディスカードアグロ

同じ思想で固めた3デッキのラインアップは、デッキの有利不利が共通している所が興味深いです。こういったラインナップの中では、トリプルアグロが最も人気です。

しかし、トリプルアグロを持ち込むというのは、ランダムな3つのデッキを持ち込むという意味ではないということに注意が必要です。例えばアッシュノクサスをいじめようと思ってトリプルアグロをプレイする場合、スカウトデッキはあなたが積極的にプレイしたいデッキではないでしょう。

今回取り上げた例では、スピードとバーンダメージを狙う意図がはっきり読み取れる。全てのデッキがノクサスを採用しており、3枚の「皆殺しの斧」を採用していないのはディスカードアグロデッキだけです。しかし、ディスカードアグロでは1マナの「メガデスロケット」が「皆殺しの斧」の役割を果たします。

このラインナップは、回復を採用していないデッキをターゲットとしており、アッシュノクサスはメインターゲットの1つになっています。このトリプルアグロラインナップは、フレヨルドシャドウアイルコントロールデッキに共通の弱点を持っており、簡単にBANで対応することが出来ます。

◆プロテクトXラインナップ

ソラカ/タムケンチナイトフォールアグロカルマ/レオナ

先に説明した通り、「プロテクトX」ラインナップは、ほとんど全ての対面で戦える柔軟なデッキを1つないしは2つ選んで構築することが多いです。そして、有利不利が偏っているデッキに対して不利が付く相手デッキをBANすることで、そのデッキを守ることが出来ます。

このラインナップは、先週の「Gem’s tournament」に持ち込み5位に入賞したものです。この大会では、デッキ公開制で相手のデッキリストを全て知っていたという所も、重要なポイントです。

このラインナップの構築理由は、以下の通りです。私はカルマ中毒者なので、自分のラインナップにカルマデッキをプレイしたいと考えました。最近、招来カルマデッキに感銘を受け、これがお気に入りデッキの1つになり、どのような対面に対しても戦える自信がありました。これは、柔軟なラインナップの強固な基盤になっています。私はその基盤づくりのために、BANを必要としないデッキを選びました。

ナイトフォールデッキは、最近良くプレイしておりほとんどの対面に戦えるラインナップです。少し不利なカードもありますが、それに対しても勝てる気がしますし、このデッキが対面のBANを必要とするデッキだとは感じませんでした。私のラインナップはかなり自由度が高く、残り1つのデッキを選ぶだけで良かったのです。

その後、私は有利不利が非常に偏ったデッキを探しました。ソラカ/タムケンチは完全にそれに見合ったデッキでした。これで、BANによって「タムケンチを守る」ためのラインナップが充実してきました。

ナイトフォールデッキの代わりに、ヴァイハイマーデッキを採用することも考えましたが、その時点ではヴァイハイマーデッキの練度が足りなかったので、ナイトフォールデッキでより快適に戦うことにしました。

このラインナップは、あまり知られていないメタ外デッキを含んでいるという利点もあります。招来カルマデッキはかなり珍しいアーキタイプなので、ほとんどのプレイヤーはそれに対して慣れていませんし、リストを理解していません。私が持ち込んだデッキはかなり独自のものです。

全てをこのように羅列すると、かなりシンプルに聞こえるかもしれませんが正直なところラインナップを選ぶ前に、何をプレイするかを丸1日考えて、納得のいかないアイディアを何度も検討して、最終的にこの形に決めました。

良いアイデアはすぐ出てくることもありますが、最終的にワクワクできるようなアイデアを見つけるためには、かなり深い掘り下げが必要なことが多いです。

以上が、トーナメントのラインアップについてです。簡潔でわかりやすく、あなたの夢のラインナップを作るためのツールを提供することを心がけました。このガイドがお役に立てば幸いです。

ラインナップ作りもスキルの1つであり、練習すればするほどその深みに入りこみ隠された宝石を見つけるのが簡単になるということを、知っておいてください。

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この記事を読んでくれてありがとう!GLHF!

この記事の著者

jyori

jyori

デジタルカードゲームでe-sportsのすそ野を広げたいという思いから、日々配信や大会参加しています。
プレイするゲームは主にLoRです!

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