【LJL解説】リクルート氏インタビュー!大変な2019年シーズンを終えて

僕がリクルートさんとJaegerさんを初めて見たのは昔も昔、今はV3で活躍されているエース選手と、アマチュアで一番上手いと思っているMIDレーナー野菜(yasai7428)選手が対決したロジクールカップであった。

その時に「eyes Revolの後継者がやっと来たか!」と思ったのを覚えている。そんなリクルートさんに今回、秋葉原のカフェで色々語ってもらった。
――元々どういうゲームをしてLOLに行き着いたんでしょうか?
リクルート氏:昔からずっと浅く広く色々なゲームをしていました。一番していたのはスタークラフトやAOEのようなRTS系のゲームをする小さなコミュニティにいて、そこにいた友達と他の色々なゲームを一緒に触ったという感じですね。そこでみんなが「LOLをしようよ」と言うので自然と僕も始めました。

――他のゲームは浅いと言いましたが、LOLはどう見ても深く関わっていますね?なにか理由はありますか?
リクルート氏:最初はLOLもそこまで深くしていませんでした。最初の年なんてブロンズに配属されて終わったので、その次の年はセンスが無いと思って1年ランクもしないくらいでした。ただ友達たちがLOLから離れていかないので、自然とLOLを長くやっていたという感じです。

――リクルートさんはプロシーンをとても多く見ていますよね。なにかきっかけはありましたか?
リクルート氏:元々WCSのような世界戦は少しだけ見ていたんですけど、他の海外リーグは見ていませんでした。ただ友達に「LJLっていう日本のリーグがあるよ」と言われたので、たまたま見始めました。

英語の実況はわからないところもありますが、eyesさんとRevolさんの日本語実況がつくだけで「ここまで面白いのか!」と思い、LJLだけはそれから毎回見るようになりましたね。

――すると海外のはまだ見ていなかったと
リクルート氏:それは「プロってやべぇな!」というきっかけがあって。この場面なのですが(わざわざ調べてくれるリクルートさん)

このEnty選手のフックとMuekiさんのペンタキルとそれに合わさる実況解説に惚れて、それがきっかけで海外のプロシーンに興味を持ち見始めました。

最初はレボラジ(Revolさんのラジオ)などで海外の見るべき試合を教えてもらって、その後は1人でもずっと見るようになりました。

――ちなみにどれくらい見られているんでしょうか?

リクルート氏:今は自分の解説の見直しや、LJLの試合を見直す回数が増えているので少し減ったのですが、一番見ていた時期だと5大リーグ(NA EU LPL LCK LMS)とLJLとLCKCSも見ていました。LMSとLCKCSは半分くらいしか見られませんでしたが。

――いや十分めちゃくちゃ多いですよ!その知識を活かしてアマチュアのコーチ等はされていなかったのでしょうか?
リクルート氏:アマチュアチームのアナリストはしていました。今で言えばRaina選手と同じチームにいたりしましたね。その時にはすでに解説者になりたいと思っていたので、その辺りをチームにも理解してもらってアナリストをしていました。

アマチュア大会等で「チームから一人解説役を出せませんか?」ということがあった時は、積極的に解説役をかって出たりしたこともあります。その後は学生リーグの解説者もしました。

――その当時からすでに解説者になりたかったんですね
リクルート氏:あの時の感動を、みんなに伝えたい!と思いましたし、Revolさんの解説を見てすごいなとも思ったんですね。そこで「解説者になるにはどうしたらいいのか」ということを考えた時に「やることが大事」という結論にたどり着きました。

練習とかも大事だと思うのですが、LJLの解説のオファーだってやった人にしか来ない。だからまずやらないと話にならないということで、積極的にアマチュア大会や学生大会の解説者として出るようにしました。

――Jaegerさんとコンビを組んだ経緯はあるのでしょうか?
リクルート氏:元々コンビと言うわけではありませんでした。ただリーグUという学生を対象とした機関で「実況解説を育成しよう」という企画があって、そこでeyesさんRevolさんに色々教えてもらえたのですが、そこで残った解説が僕と和葉さんでした。

ただ和葉さんはその年に卒業だったこともあって、学生リーグの解説は僕しか残りませんでした。そして実況はJaegerさんがずば抜けて良かったので、自然とアマチュア大会や学生リーグで2人でやることが多くなったのかなと思います。

――2019年LJLを1年やってみていかがだったでしょうか?
リクルート氏:色々あるのですが、まずは責任の重さが段違いでした。学生大会のようなコミュニティでやっている分には運営も学生や身内ですし、そもそもリーグUという大人に守ってもらう立場でした。

よほどではない限り多少の失言等は許されましたからね。しかし今の僕の立場は、失敗がそのままRIOTやLJLにそのまま不利益になります。その責任はとても感じました。

――緊張等はいかがでしたか?
リクルート氏:春の最初の週は本当に緊張して1.5倍速くらいで話していました(笑)「あの憧れの選手がそこを通っている!」って思いつつも、今から話すのかという緊張で複雑な気分でした。あと、憧れのRevolさんとeyesさんと同じ空間で仕事するという状況が本当に緊張しましたね。

――今は慣れましたか?
リクルート氏:慣らしました。会場もお客さんが近くにいて声が聞こえ、なんなら選手の声まで聞こえる。今までにない環境だったので、スタッフやeyesさんRevolさん、katsudionさんに助けてもらってとにかく慣らしました。あとはeyesさん、Revolさん、katsudionさんとの距離感もなんとか測りましたね。

――夏はいかがでしたか?
リクルート氏:春を踏まえた上で、夏はアレンジを加えてみました。ただ今までの自分のスタイルを崩すことにもなって、今まで出来ていたことも出来ず、春以上に叩かれましたね・・・。

ただ夏に関しては、自分のスタイルを作るために試行錯誤をしていたので、ある程度流して色々チャレンジしました。その結果、後半は大分安定して出来たのかなと思います。
――LJLの解説として決まった時の気持ちはどうだったんでしょうか?
リクルート氏:めちゃくちゃ嬉しかったです。ただ「こんなに早くて大丈夫か?」という不安な気持ちはありました。案の定めちゃくちゃに叩かれましたからね(笑)

学生リーグ等は視聴者の目もおおらかなのですが、LJLになって視聴者からの目はめちゃくちゃ厳しくなりました・・・。普通に落ち込んでいた時期もあります。

――確かに視聴者の目は変わりそうです
リクルート氏:今まで通りやっても評価されないし、今まで通りもできないし。問題点を改善しないまま他を治そうとしたら、また他の問題点が出てきたりしてどんどん悪い方向に。

だから実況目線の「こういったことを返してほしい」というようなことはeyesさんやkatsudionさん。「自分からしっかり話す」といったことはRevolさん。後は言葉使いや語尾、変な用語を使っていないかは、スタッフにアドバイスをもらいにいったりしていました。

――大変な1年でしたね
リクルート氏:ただ1年間本当に楽しかったです。LJL MSI WCSガッツリ話せて、一層LOLが好きになれました。最初はすごく叩かれるからネガティブな状態でしたが、回を追うごとに「解説楽しい!」って思えるようになって、選手の良さをもっと広げられたらいいなと言う風にポジティブな気持ちになれました。感情の起伏が激しい1年でしたね(笑)

――ちなみに毒をもう少し吐いてくれという意見があるとは思うのですが?
リクルート氏:周りにも結構言われます。Revolさんがそういったスタイルで、一定の人気を得ているので「そうしてくれないか?」と期待されたりもしますね。

ただ僕は、基本的にはどんなプレイでも99%の場合は意図して行われていると思っているので、それをすくいたいと思っています。もちろん1%のミスは、指摘しないといけないですけどね。

――Revolさんとは違うスタイルでいくということでしょうか?
リクルート氏:Revolさんの場合は、選手たちが高次元にいるという前提があって「彼等ならそんなミスをするはずがない」ということで、毒を吐いているのでまた違うのかなと。

――Revolさんも個人配信の時はもっと毒がきついですしね
リクルート氏:僕も普段は脊髄から言葉が出ているので、そのイメージが強いんですかね。解説のときはしっかりフィルターを通しているのでそこまで毒は出ません。

――2019年のLJLはいかがだったでしょうか?
リクルート氏:前提として話しておかないといけないのは、去年のWCSはLCKの天下が終わった年でした。ベスト4にLCKチームが1つもなく、優勝もIGというLPLのチームでしたよね。

LJLはずっとLCKのマクロゲームをリスペクトしていましたが、そのマクロゲームが崩壊してしまった。「さてどうしますか?」というのが今年だったと思います。

――各チーム試行錯誤がありそうでしたよね
リクルート氏:例えばDFM等は、今年のMSIでもレートゲーム思考・構成を取っていのですが、序盤のアグレッシブさが無いという問題点が出て、そこを修正していました。

春のシーズンなんかはUSGを除いて、めちゃくちゃ試合時間が早かったですよね。そういうメタのアジャストが難しいシーズンだったと思います。

――会場も変わりましたがいかがですか?
リクルート氏:中野から渋谷のヨシモト∞ホールに変わったことによって、照明の当たり方や観客から見られるプレッシャー等は、変わったと思います。

あとは試合数や時間も変わりましたよね。拘束時間も長いですし、試合開始時間も早くなりました。ゲーミングハウスでの生活リズムを変える必要が出てきたので、そこも大変だったと思います。

――そういう意味では実況解説も大変なのでは?
リクルート氏:朝強いほうじゃないので少ししんどかったですね。拘束時間も12時間位あって、実況解説は交互で裏でも試合を見ているので動きっぱなしです。でもまぁ・・・楽しいんでね(笑)見たくてやっているので。事前準備とかもあるのですが、大変なのはその日だけだし、なんとかなっています。

―――事前準備はどんなことをされているのですか?
リクルート氏:各選手のスタッツを洗い出したり、試合内容を見直したりしています。特徴的なスタッツ等から試合内容や勝ちパターンを予測し、それを共有します。

――選手に聞くことはよくあるのでしょうか?
リクルート氏:仲のいい選手には聞くことはあります。ぶっちゃけマッチアップって選手に聞くほうが早いんですよね。もちろん自分でこのマッチアップは「こういうことができるからこっちのほうが有利だよね」といったことを考えはしますが、選手は実践で何十回何百回とやっているので、聞いたほうが確実です。

ただこれはマッチアップに限らずマクロもそうなのですが、選手やチームによって考え方は色々あり、もちろん僕にも考えがあって、その中から取捨選択をしています。

――交友関係も大事だということですね
リクルート氏:LJLでも仲のいい人が出来て交友関係は広がっています。逆に仲のいい人がLJLに入ることも増えてきましたね。どんどん交友関係の輪が大きくなっていますね。

自分で調べるだけじゃなくて、そういう人たちに聞くことによってLOLの知識が深まっていることを感じていて、そして更にLOLが楽しくなっていますね。

――LJLで好きなプレイヤーはいますか?
リクルート氏:apaMEN選手です。当時はRJでJGをしていましたが、その後MIDに移り、USGではTOPをしましたよね。そういう風にロールを変える選手を僕は昔知らなかったので、すごいなと思っていました。

――全てのロールでキャリーしていましたよね
リクルート氏:またRJって、チームがとても仲がいいように見えたんですよね。そういうチームで、リーダー的な存在であったapaMEN選手はずっと応援しています。

だから今年の春apaMEN選手はめちゃくちゃキャリーしていましたが、僕が解説になったその年に活躍してくれたので嬉しかったです。まさか僕がapaMEN選手を解説できるとは思いませんでした。

――世界的にはどうですか?
リクルート氏:最近ではHylissang選手ですね。ナンバーワンサポートだと思っています。もちろん安定感はないんですけど(笑)爆発した時のHylissang選手は、もう本当に誰にも止められないし、この前のWCSで本当に化け物だなと思いました。サポートメインとして尊敬しています。

――他にはいますか?
リクルート氏:他だとずっと応援しているのはDeft選手です。好きなんですよね・・・顔がアルパカみたいで。いやプレイも好きですよ?でも最初に好きになるところってそういうもんじゃないですか?「この選手の緻密なプレイが」とかで好きになる人、滅多にいないと思いますよ。

僕が言うのは何なんですけど・・・僕が言えよ!って話ですね(笑)LJLだと降格を逃れたYukiさんの涙や、最近だとDoinb選手の喜びようとかが有名ですよね。あぁいうのから、好きになったりする人は多いと思います。

――先程去年の海外リージョンの話はしてくれましたが、2019年世界のLOLシーンはいかがだったでしょうか?
リクルート氏:FPXがLCKチームと戦ったらどうなったのかな、というのは気になりましたね。結局1度も戦っていないんですよ。トーナメント的には運が良かったのかなと思っています。逆にLCKは運が悪かったのかな・・・。

G2にやられてしまいましたからね。個人的には今年は3すくみになっていたと思っていて。「LCKはLPLに強い」「LPLはEUに強い」「EUはLCKに強い」といった様な。

――確かにG2はFPXに相性が悪かったと言っていました(後にFPXはSKTにスクリムでボロ負けしていたと言う情報も出ている)
リクルート氏:もちろんDoinb選手の戦術は素晴らしくて、特にタワープレートというシステムが追加されたことによって、打ち壊しを持ったノーチラスMIDがサイドに行く動きに対して合わせないと、タワープレートがどんどん取られていくという理にかなった動きをしていました。

メタ的にもDoinb選手にハマったのかなと思います。ただその動きならSKTなら対応できたのではないかなと思います。

――(SKTファンの僕)そうですよね!
リクルート氏:MSIでは確かにG2のロームの動きにやられてしまったんですけど、対応策は練っていたのではないかなと。相性的にもFPXとSKTなら、G2が戦うよりも勝率が高かったのではないかなと思っています。ただDoinbとTianが今大会ずば抜けてパフォーマンスも連携もよかったので、FPXの優勝は納得いくものでした。

――まだプレシーズンですが、来年はどう思われますか?
リクルート氏:システム的にはドラゴンの価値が上がり、ヘラルドが2体出るようになって序盤からのオブジェクトの重要性が更にあがりました。LPLが2連覇したように、序盤からのアグレッシブさ、判断力の速さが求められるのは間違いないと思います。

――これからの目標をお願いします
リクルート氏:解説のスタイルとしては、自分が面白かったと言われるのはもちろん嬉しいのですが、1番は試合が面白かったと言われることを目標にしています。だから僕が透けるくらい・・・だと僕の意味がないんですけど。

そういう風にLJLの面白さ、選手の凄さなど感動する部分を伝えていけたらなと思います。解説という仕事が本当に面白いので、歩みを止めないでいきたいと思います。LOLが尽きるまで。

――最後にファンに一言お願いします!
リクルート氏:最初に比べたら大分良くなったんじゃないかな・・・と思うので、このペースを崩さずに頑張っていくので温かい目で見ていただけたらなと思います。

筆者から

この文章は恐らく30分くらいだと思う。ちなみに話した時間は2時間半ほどあるのだ。つまり2時間はカットなのだ!!
いや本当に楽しい時間であっという間だった。ただインタビュー記事としては「eyesの目でこんなのありましたよね!」「プレシーズンの喫煙所の使い方」「カミールGPの話や、シンドラルブラン、シンドラゾーイ、GPナーのマッチアップの話」「LCKストーブリーグの話」「よしあきさんがルルJGした話」等は書けない!

いや書きたいけど書けない!コアすぎる!なのでこの2時間は僕の宝物にしてこのインタビュー記事を締めたいと思う。

この記事の著者

syouko

syouko

学生時代はスポーツでプロを目指し、その後スポーツのコーチへ。
CIV4マルチという闇のゲームを4年したあとLOLにハマり、アマチュアチームの代表兼コーチとして1年半運営。
LOLを競技として捉えている人達を応援しています。

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