【Gismo的LCK解説】勝利の鍵はADCの勇気 今年初の下剋上はAfreeca Freecs【AFs vs SB】

Gismo AFs vs SB

はじめに

こんにちは、LoLアナリストのGismoです。今回の記事では今シーズンのLCKで今年初のアップセット(下剋上)であるAFs vs SBの試合を振り返っていきます。

「ん?今年初のアップセット?」と思った方、無理もありません。今年のLCKは昨年度Worlds進出3チームすべてが下位に沈み、一方でまだ昇格してから日の浅いGriffin・SBが上位2チームという大荒れの展開に見えます。

しかし実は今シーズンにおいて今回の試合までは下位チームが上位チームを倒したことが一度もないのです。順位だけみれば昨シーズンと比べて大荒れに見えても、実は実力通りそのままの順位になっています。

さて、少々脱線してしまいましたが両チームの現在の状況について振り返っていきたいと思います。

AFsの状況

ここまで2勝6敗、その2勝も下位チーム相手の2勝であり非常に苦しい状態です。

サブジャングルであるSpiritをサポートやBot起用するなどやや迷走と見られかねない戦略も取っています。
旧正月休み以降は軌道を修正し、やや良い場面は見られるものの相手が悪く(DWG・GRF)結局1setも取れないままSB戦となりました。

SBの状況

ここまで7勝1敗でGriffinに次ぐ2位につけ、今シーズンGriffinのネクサスを破壊した唯一のチーム

歯車が噛みあったという表現もされ、去年のGriffinに近いような勢いで勝ち星を積み重ねています。

しかし一方でガンクタイプのジャングラーであるOnFleekへの対策が進んだこともあり、旧正月明けの2戦では勝利したものの不安の残るゲーム展開が多く、ここまで勢いよく上ってきただけに失速が心配されています。

Game1

構成

AFsvsSB Game1 BANPICK
AFsvsSANDBOX – Youtubeより引用
AFs

プラス要素
・J4、セジュアニ、リサンドラ、ブラウムといった集団戦におけるゾーンコントロールが優秀
・同様に強力なCCからのキャッチやエンゲージも得意
・フロントラインが分厚く正面から当たった際に強力
マイナス要素
・レーンがパッシブで序盤アドバンテージを取れるポジションがない
・終盤までスケールするのがエズリアルのみなので、中盤に有利を確保しないと難しい

SB

プラス要素
・ジェイス、ゾーイといった序盤からレーンのコントロールを取れるチャンピオンをとれている
・ジェイス、ゾーイによる強力なポークプレッシャー
・シェン以外の4チャンプ全員がダメージを出すことが可能
・シェンのグローバルUltによるサイドレーンへのプレッシャー
マイナス要素
・エンゲージ手段が少なく、戦闘を起こすのが難しい
・フロントラインが薄いため終盤の集団戦が難しい

ゲーム展開

AFs Dreadによるガンクジャングラーの封じ方
開始10分まではキルも起きず、静かな立ち上がりになります。面白い点はAFs DreadのJGルートです。下の画像をご覧ください。

AFsvsSB 2
AFsvsSANDBOX – Youtubeより引用

AFsのジャングルであるDreadは赤バフ→ラプター→青バフ→トップスカトルというルートを取った後に相手のクルーグ前にワードを刺し、この後トップガンクをおこないます(結果はかわされてしまいましたが……。)

アルティメットを覚えてからのガンクや少数戦が得意であるセジュアニは本来、赤のあと経験値効率が良いクルーグを狩る傾向にある中で、なぜトップガンクをしたのか順を追って説明していきましょう。

まずKiinは序盤のトップガンクで試合を壊されることを嫌い、トップリバーブッシュ(画像右下ミニマップの黄丸)にワードをさします。

この時の時間が1:35、トリンケットのLv1時の持続時間は90秒、次のトリンケットを置ける時間は4:00なため3:05~3:59の約1分間はKiinが視界をとれない時間になってしまうわけです。

Dreadはこの時間をカバーするために相手のトップサイドに入り、まずクルーグがないことを確認。トップスカトルは自分で狩っているためOnFleekのジャングルルートは赤→クルーグ→ラプターorボットサイドと予測が立ちます、この動きにより「相手ジャングルの位置把握」「トップの安全確保」を同時におこないました。

またこのタイミングでのBotレーナー2人の行動にも注目です。

AFsvsSB BOTLANE
AFsvsSANDBOX – Youtubeより引用

まずJellyが自陣クルーグをチェックして狩られていないことを確認、先ほどのトップへ入った際のルート予測+自陣クルーグの存在、これによりOnFleekの位置が赤側ボットサイドジャングル(画像右下ミニマップの黄丸内)であることがほぼ確実になったため、Aimingがリバーブッシュにワードを刺します。

これにより全レーンでのガンクの危険性はほぼ0になり、ガンクが得意なOnFleekの動きを封じ込めることに成功します。

LCK2位チーム“アグロピンポン”講座
さて、試合は進んで30分。SBはキルこそ取られているものの、地力の差でオブジェクト・ゴールドではやや有利という状況で集団戦を迎えます。

AFsはDoveとSummitが浮いているとみてJ4のアルティメットからエンゲージ、しかしここからがSBの力の見せ所。シェンはアルティメット、ブラッドミアはテレポートで即座に対応します。

この好機を逃すまいとしたAFsはブラウムのアルティメット、リサンドラのアルティメットをDoveが操るゾーイに叩き込みますがDoveはフラッシュとクレンズで完璧に対応、そしてこのタイミングでOnFleekのエイトロックスが横から登場します。

AFsvsSB 集団戦
AFsvsSANDBOX – Youtubeより引用

たまらずDreadは足止めのためにアルティメットを使いますが、これによりAFsは全てのアルティメットをバラバラに撃ってしまったことになります。怖いものがなくなったSBは一気になだれ込み集団戦に勝利、その後バロンまでつなげゲームエンドまで持ち込みます。

結果として1ゲーム目はSBの勝利、序盤こそうまくやったAFsでしたが中盤以降のオブジェクトコントロールチームファイトの阿吽の呼吸といったものはまだまだで、今日もこのまま負けか……。と肩を落としたファンも多かったかもしれません。

Game2

構成

AFsvsSB Game2 BANPICK
AFsvsSANDBOX – Youtubeより引用

SB

プラス要素
・全レーン安定かつキルも狙うことが可能なレーニング
・ゾーイのスリープバブル、スレッシュのフックによるキャッチ力
・全レーンにCCがありどこからでもゲームを組み立てることが可能
マイナス要素
・明確なエンゲージ、ディスエンゲージスキルがない
・上記に加え逃げスキルも乏しくキャッチに弱い
・ダメージがAP偏重

AFs

プラス要素
・トップ側3人の序盤の強さ
・エリス、オレリオン・ソルによるサイドレーンへの強力なダイブプレッシャー
・ブラウム、オレリオン・ソルによる多少のゾーニング力
マイナス要素
・序盤有利が取れないとカイサのパワースパイクまで勝ち目が薄い
・エンゲージスキルに乏しい

ゲーム展開

トップダイブの為のワーディング
試合時間3分、AFsは構成の強みを生かし見事トップダイブを決めます。簡単なように見えますが、その裏にはトップダイブを成功させるための緻密なワーディングがありました。

AFsvsSB ワーディング
AFsvsSANDBOX – Youtubeより引用

AFsはLv1で相手のトップサイドジャングルに2つ、そしてボットリバーに1つ(画像右下ミニマップの赤丸)ワードを設置。相手の青バフ近くに置いたワードで相手のスタート位置を赤バフと確定、Dreadは一直線に相手ジャングルへ入っていきます。

この時効いているのがウルフとミッドレーンの間にあるワードとボットリバーにあるワード。もしこの後シン・ジャオがウルフのワードに映ればDreadは安全に自陣Jgを狩り青バフ分の有利を得られ、リバーに映った場合は安心してトップサイドへのプレッシャーをかけ続けることが出来ます。

つまりOnFleekとしてはどちらを選んでも不利な2択を強いられているわけです、結果としてOnFleekはキャンプ差がつくことを嫌がり相手のBotジャングルを狩ることを選択します。Dreadは相手ジャングルを2キャンプ狩った後、ウルフを狩らずにミッドへプレッシャーをかけます。

これには3つの理由があります。

  • 既に赤→スカトル→青→グロンプでLv3である
  • 青バフ近くにワードがあることは把握しているので敢えて一度出ることで相手を油断させる
  • MidにプレッシャーをかけることでフリーでプッシュできTopへの3マンダイブが可能

この後さらにトップガンクを決めジェイスは合計2キルを獲得、トップの有利を確固たるものにします。

ADCによるエンゲージ
試合時間は飛んで41分、お互いにエンゲージツールがなく攻め手を欠きつつある展開に変化が訪れます。にらみ合いのさなか突然Ucalがアルティメットを撃ち、それに合わせてAimingがたった1人で飛び込んでいきます。

咄嗟の出来事に混乱したSBは陣形が乱れ、一人浮いたGhostがキャッチされそのままネクサスまで破壊されてしまいます。一見破れかぶれの特攻のようにも見えるこのシーン、実はしっかりとした根拠が存在しました。
AFsvsSB エンゲージ
AFsvsSANDBOX – Youtubeより引用

AFsvsSB エンゲージ
AFsvsSANDBOX – Youtubeより引用

解説の前に、集団戦でAimingが食らってはいけないCCをおさらいしてみましょう。スレッシュのQ・E、カシオペアのW・アルティメット、シンジャオのEからのQ、ゾーイのE、アーゴットのEといったところでしょうか。ではこの中で避けられない・方向指定でないスキルはどれでしょうか?

そう、カシオペアのW・シンジャオのE→Qです。

実はこの飛び込む直前、そのどちらもSBは使用してしまっているのです。つまり残っているのは避けられるスキルのみ。恐らくここで「行ける!アルティメット打って!」とコールしたのはAimingではないでしょうか。

オレリオン・ソルのアルティメットを見たAimingはすぐさま飛び込み、SBの前線を文字通り崩壊させます。この時当たったスキルは対象指定のカシオペアE・相手が下がったのちのスレッシュUltのみ。しかもサッシュを残してです。

後は他のメンバーが役割を果たすのみ。

Doublelift「優れたADCには危険に身を置く勇気が必要だ」

The Breakdown Episode 17より引用

エンゲージツールに乏しい中で自らに何ができるか、高いハンドスキルとそれに裏付けされた積極性で2Game目を制したのはADCの勇気によるものでした。

Game3

構成

AFsvsSB Game3 BANPICK
AFsvsSANDBOX – Youtubeより引用

AFs

プラス要素
・エンゲージ、ディスエンゲージ、AoE、スケーリング等構成のバランスが良い
・集団戦が強力
マイナス要素
・レーニングがやや不利
・全体的にレンジが短い

SB

プラス要素
・レーニングでやや有利マッチアップを取れている
・タムケンチによるグローバルプレッシャーとシヴィアのウェーブクリアでマップを掌握しやすい
マイナス要素
・序盤コケると非常にもろい

ゲーム展開

How to win in early game
試合時間2:20、目の覚めるようなファーストブラッドで試合は始まります。ボットレーンで2レベル先行したAFsがグラガスのEフラッシュからタムケンチをキルすることに成功。何の変哲もないキル……というかJokerの立ち位置ミスもありますが、AFsのウェーブのつくり方・Lv1でガーディアンをはがした動きが見事だったとも言えます。

注目すべきはこの後のAFsの動き。ボットでキルが起こった+オラフがスカトルにスマイトを使ったことを確認したDreadは本来不利なはずのリーシンとオラフというマッチアップでも迷いなく相手ジャングルへ侵入。

そこにすぐさまJellyが合流しOnFleekをジャングルから追い出し、フラッシュを落とすことに成功。このタイミングでマッチアップ不利なUcalが無理にでも体を寄せる判断をしたのも見事でした。

そしてこの後、AFsは序盤崩れたら脆い相手をさらに崩す次の1手を打ちます。Ucalがリコール後テレポートで即レーン復帰、さらにミニオン吸収装置を活かして相手タワー下にミニオンを押し付けます。

AFsvsSB レーニング
AFsvsSANDBOX – Youtubeより引用

これによりテレポートのないビクターはミッドのファームに向かうしかない状態になります。このタイミングでDreadとUcalはトップへのダイブを判断し、結果1キルを獲得します。

こうしてマップ全体で有利を取ったAFsはSBの強みをつぶし、そのまま語るところもなく20キル3デッドという圧倒的な差で試合を決めました。

まとめ

下位相手に黒星を喫したSBはこの後のKZ戦も0-2で負け、順位は変わらないものの苦しい状況に陥っています。AFsもまだまだ苦しいものの、この勝利で少し光明が見えたといってもいいのではないでしょうか。

両チームの今後、そしてLCKの勢力図からはまだまだ目が離せません。

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